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2026.01.27
動物の血尿、血便、内出血にはご注意を!

本日は発見が遅れると命を落としてしまうことも多い『免疫介在性血小板減少症』と言う病気についてご紹介させていただきます。
あまり聞きなれない病気かと思いますが、実は犬においてはそれほど珍しくない非常に怖い病気の一つです。
まず初めに血小板というのはからだの中で一番最初に出血を止めるのに働いてくれる細胞です。ですので、その名の通りこの血小板が減少してしまうこの病気では体のあちこちで出血が起こり、それが止まらなくなってしまいます。この出血は、血尿や血便、皮下の内出血といった様々な症状として現れじわじわと動物さんの血液が失われていきます。
診断としては様々な検査う必要がありますが、直接的に確定診断をする検査は存在せず、他の血小板が使われてしまうような炎症や腫瘍の存在を否定する必要があります。また、骨髄は正常に血小板を作っていることを証明する必要があるのですが、すでに血小板が減ってしまっている状態で骨髄に針を刺して細胞を取るという検査がリスクが高いためあまり進行した状態では実施されないことが多いです。ですので、最終的には『ちゃんと血小板を体は作っていて、それが使われてしまうような病気はないのに血小板が重度に減少してしまう』と言う状態であった場合に犬では『免疫介在性血小板減少症』と診断されることが多いです。(猫は犬よりは稀)
治療としては免疫抑制剤を投与するのですが、この治療効果がで始めるには一週間以上じかんがかかることもあり、すでに出血がひどい場合には輸血によって一時的に貧血を改善してあげることも必要になる場合があります。
もしかすると、『輸血すれば血小板も補えるのでは?』と思われた方もいるかもしれませんが、血小板の寿命は非常に短く、採血後急速に輸血すれば一時的には多少は補われることもありますが、急速な輸血はリスクも高く、その場凌ぎにしかならないことから根本的な解決にはならないのが難しいところです。
ですので何よりも大切なことはひどくなる前に変化に気がつき少しでも早く治療を開始すると言うことです。真っ赤な血尿、吐物に大量の血、血便、皮膚の複数の内出血など、これらを見つけた場合には様子を見ずに少しでも早く動物病院を受診し検査を受けてください。
この病気は初期では他に何も症状が現れず、定期健診の血液検査で偶然見つかることもあるくらい非常に発見の難しい病気です。もし不安に思うことがある場合にはお気軽に病院スタッフまでご相談ください。
獣医師 桃崎 昂