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2025.12.15
何年も治らない猫の下痢…まだ諦めないで!

猫の慢性の下痢は治療が非常に難しく、ちゃんと順番に診断をつけて治療していかないとドツボにハマり抜け出せなくなってしまうことがあります。
かくいう私自身も何度も苦い経験をしてきましたし、いまだに完全には治してあげられていない猫ちゃんもいます。
今回ご紹介させていただくのは年単位で下痢に苦しめられていた猫ちゃんのお話です。
この子は数年前に下痢を発症してから、ずっとしぶりと血便に苦しめられてきました。
その結果お尻は赤く腫れて、うんちをする度に叫び声をあげてしまうほどでした。
いくつかの病院を周り、多少は軽減した時期もあったそうですが、原因を突き止めることはできず、飼い主さんも猫ちゃんも辛い日々を過ごしていました。
当院にいらした当初ははお尻とお腹が痛いせいで猫さんも殺気だっており、検査をするのもやっとな状態でしたが、看護師さんが根気強く『痛いことはしないよ』『ちゃんと病気を治そうね』と優しく声をかけてくれたおかげで無理な鎮静をかけずに検査を実施することができました。
そしてエコー検査の結果、この子には『短結腸症』という病気があることがわかりました。
元々結腸というのはハテナ型にループするように存在していてその長さがあることで便中の無駄な水分を吸収し、正常な硬さの便として排出します。ですが、この短結腸症の猫さんの場合は生まれつきその半分ほどしか結腸の長さがないため、下痢になりやすく、炎症が起こりやすいという病気です。
この子の場合も、結腸が重度に腫れてただれており、そのせいで下痢血便が止まらない状態になっていました。
ただしこれで検査は終了ではなく、この腫れが腫瘍なのか、ただの炎症なのかを確かめなければなりませんでした。
その後の内視鏡検査の結果、幸いにもこの子は腫瘍ではないことがわかったため、食事変更といくつかのお薬を組み合わせることで少しずつ便の状態が改善していきました。
それと同時に、下痢が止まったおかげでお尻のただれもなくなったせいか診察台でも怒らずに触らせてくれるようになりました。それほどにずっと辛い思いをしてきたんだと思います。
繰り返しにはなりますが、慢性下痢というのは非常に原因の究明が難しく、治療が困難なことも多いです。
ただそれでももし、なんとかしてあげたいと悩んでいる患者様がいたらぜひ一度当院までご相談ください。
お力になれるかもしれません。